三国志に興味を持った方にオススメの本を紹介します。
三国志って面白そうなんだけど、いろんな本がありすぎて、どれから読んでいけばわからない。
こんな方の悩みに答えていきます。
たしかに三国志は膨大な量の関連本が出版されているため、どれから手をつけていいか初心者は悩んでしまいます。
でも、心配には及びません。
今回ご紹介する本を押さえておけば、三国志をより深く楽しむことができます。それではさっそく参りましょう。
三国志本を選ぶ際の心構え
三国志には史実と小説との2種類がある
三国志は、大きく分けて2種類あることを知っておきましょう。
史実と小説の2種類です。
史実の方は、陳寿という人が書いた「三國志」、小説は羅漢中という人が書いた「三國志演義」です。
羅漢中は史書を下敷きに小説を書いていますから、まったくのフィクションというわけではありませんが、やはり荒唐無稽な内容をふくみます。
ただ、小説ですから、後漢から三国時代、そして晋という流れを理解するうえで有益です。
楽しくストーリーを追うことができますからね。
一方史書のほうですが、この史書は三国時代に活躍した人物たちの伝記を集めたものです。
そのため、個人個人の事績を知るには便利ですが、歴史の流れを知るには少々不便です。史書を読むときはこういった点に注意が必要です。
まずはストーリーを楽しもう
そこで、初心者はまずストーリーを楽しめる本から入っていくのがいいでしょう。
それには小説や漫画などさまざまなメディアがそろっています。
それぞれに特徴がありますから、いろいろと手に取ってみるのがいいと思います。
オススメ本5選
ではオススメ本を紹介していきます。まずは小説からです。
吉川英治「三国志」
三国志といえば吉川英治です。
日本において三国志人気を決定づけた名作といっていいでしょう。
羅漢中の「三国志演義」をベースに、蜀を建国する劉備玄徳を主人公としてストーリーは展開します。
文章も簡潔でずんずん読んでいけると思います。
子供のころ、この吉川三国志を本がボロボロになるまで読んだことを思い出します。いま読み返しても面白い傑作です。
横山光輝「三国志」
こちらは漫画です。吉川三国志をほぼ忠実に漫画に移植したのが本作です。
全60巻の大作で、あまりにも有名ですからご存じの方もいるでしょう。
ネタ画像として引用されることもありますから、その意味でも知っておいて損はありません。
初心者はまず本作から入っていくのがいいでしょう。
善の劉備と悪の曹操という図式も、初心者には取っつきやすいはずです。
王欣太「蒼天航路」
三国志は劉備玄徳を主人公とすることが多いのですが、この漫画は劉備の最大のライバル・曹操が主人公です。
劉備は曹操のライバルとして登場します。
それまでの三国志のイメージを大きく変えた傑作です。
従来は悪役だった曹操が実に魅力的な革命児として描かれ、さらにライバルの劉備も曹操が持ち合わせない人間的魅力を備えた人物として描写され、両者の対決がいやがうえにも物語を盛り上げていきます。
曹操は軍事・行政・学問・詩歌などあらゆる分野に精通する天才であり、その特徴は本作でも余すところなく描かれています。
本作を読んだときは、その破天荒な描写に驚くとともに、新しい解釈の三国志に胸ときめかせたものです。
三国志ファンなら絶対に一読する価値がある傑作といえましょう。
渡邉義浩「人事の三国志」
三国志研究の権威による、人事を中心に見た三国志です。
陳寿の「三國志」を読んでいると、よくわからない単語や概念に遭遇することがよくあります。
辞書で調べてみてもわかったようなわからないような、中途半端な印象を残してあきらめるのが常ですが、本書をひもとくことで様々な疑問が氷解します。
「辟召」という概念も本書のおかげでよく理解することができました。
中級以上の方なら、ぜひ手元に置いておきたい一冊です。
「正史 三国志」
陳寿の「三國志」の全訳です。
陳寿の原文はネットでも閲覧できますので、この「正史 三国志」があれば原文と照らし合わせてより深く三国志を楽しむことができるでしょう。
先述したように、三国時代の人物たちの伝記ですから、歴史の流れを追うのには向いていません。
そのため、中級者向けといってもいいでしょう。
まとめ
三国志は知れば知るほど奥が深いコンテンツです。
これほどおもしろい物語もなかなかないでしょう。
個性的な人間たちが肉体で、あるいは頭脳で命がけの戦いを繰り広げる三国志は、これからも長く日本人に愛されていくに違いありません。
ぜひ皆さんも三国志の扉を開いてみてはいかがでしょうか。
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