まだ紙の本で読んでるの?アマゾンキンドルのすすめ

書評

読書好きなら利用しない手はない、それがキンドルアンリミテッドです。

月額たった980円で膨大なラインナップが読めるようになります。

好きなだけ読書に浸ってください。今回は、キンドルアンリミテッドで読める作品をいくつか紹介していきます。

もちろん、ほんの一部しか紹介できません。それほど多くの作品が読めるのです。

趣味が読書、という方はぜひ利用してください。選択肢が圧倒的に広がりますよ。

電子書籍ならキンドル

電子書籍ならキンドルです。この一択です。

なにより読める本の量が圧倒的です。

しかもキンドルアンリミテッドを利用すれば、和書で12万冊、洋書なら120万冊以上を月額たったの980円で読み放題です。

洋書のラインナップはハンパではありません。英語に堪能な方はもちろん、英語を学ぼうとしている方にもおすすめです。

ただし、今回は洋書の特集ではありません。あくまで和書に注目です。

それも、光文社古典新訳文庫にスポットをあてたいと思います。

光文社古典新訳文庫とは何か、本好きならもちろんご存じでしょうが、一応、確認はしておきましょう。

光文社古典新訳文庫とは

このシリーズの大きな特徴は、日本語訳がすばらしいことです。

翻訳だから当たり前じゃないか、というなかれ。

現在では考えられないかもしれませんが、昔はひどい翻訳本が山ほどあったのです。それでも読者はガマンして読んでいたものでした。

なかには、ひどい翻訳を責めるのではなく、読んでいる自分の頭の悪さを嘆くいじらしい光景も多々あったものです。

翻訳が劇的に改善されてきたのはここ数年といってもいいのではないでしょうか。

光文社古典新訳文庫は、その代表的なシリーズといってもいいでしょう。

このシリーズに収められたドストエフスキーの「罪と罰」がベストセラーになったのも記憶にあたらしいところと思います。

そんな光文社古典新訳文庫が月額980円でかなりの数が読めるのです。

そのなかから、まったくの独断でおすすめ作品をいくつかご紹介していきます。

おすすめ作品

菊と刀

ルース・ベネディクトの歴史的名著です。

翻訳は角田安正氏。レーニンの翻訳などでも有名ですね。

ベネディクトは第二次大戦中、アメリカの情報局に勤務し、その業務の一環として本作を書き上げたようです。

戦争の産物ですね。人類学者として日本人を分析しており、現代の日本人である私たちが読んでもうなづける部分が多い名著です。

そして何より翻訳がすばらしい。翻訳であることを意識せずにページを繰ることができます。

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老人と海

ヘミングウェイの名作です。

新潮文庫に収められている福田恆存訳もすばらしいものですが、福田訳は誤訳も少なくないようです。

翻訳者は小川高義氏。小川氏はこのほかにもさまざま優れた翻訳をものしていますが、この「老人と海」もすばらしい。

ヘミングウェイの原文も簡潔で美しい英語ですが、この小川氏の翻訳は日本語の散文として優れたものです。

ぜひご自身の目で確かめてほしいと思います。

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チャタレー夫人の恋人

D.H.ローレンスの有名な作品です。

わいせつ裁判との関連で有名でもありますが、なぜこの作品がわいせつ文書として起訴されたのか、いまとなっては理解に苦しみます。

翻訳者は木村政則氏。正確で簡潔な訳文です。

伊藤整訳で読んだときに感じた印象とは随分違うな、というのが率直な感想です。伊藤訳の方は少し回りくどい印象です。

木村氏の訳はテンポがいい。時々、無味乾燥な説明文に感じるところもないではないですが、読み進めるとそういった印象も薄れていきます。

物語がすんなり頭に入ってくる、すばらしい翻訳だと思います。

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自由論

J.S.ミルの古典の翻訳です。

戦前から英語のテキストとして使用されてきた原書の「On Liberty」ですが、実は英文として読みやすいものではありません。

つまり、日本語訳もあまり良くないということになり、無理して読んでもわかったようなわからないような、あいまいな印象で終わるのがオチでした。

しかし、それももはや過去のものです。この優れた翻訳があるからです。

翻訳者は斉藤悦則氏。ながらく名声のみ高かった名著が、やっと日本人のものになりました。自由について考えるときに必読の作品といっていいでしょう。

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故郷/阿Q正伝

魯迅の翻訳といえば竹内好、というイメージでしょうが、竹内訳は魯迅の原文の雰囲気を伝えているかというと必ずしもそうとはいえません。

実は、竹内訳は魯迅のセンテンスを読みやすいように区切って訳しています。

魯迅の原文は1センテンスが長いのです。

竹内は、日本人読者にとって親しみやすいように翻訳したわけです。

ひるがえってこの藤井省三訳は、魯迅の原文により近い翻訳といえます。

訳者も書いているように直訳に近いのです。

しかし、そのことで読みやすさが失われたわけではありません。一読してみればわかりますが、日本語の文章として100%成立しており、かつ、原文の趣を再現することにも成功しています。

魯迅の文章こんな感じだよなあ、と思い出しながら読むことができるのです。

新しい魯迅を新しい日本語訳でぜひ楽しんでみてください。

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