お金はいくらあっても困りません。
皆が欲しがるお金ですが、どうやって増やしていけばいいのか、素人はどこから手をつけていいかまったくわかりませんよね。
今回ご紹介するのは、山崎 元、大橋弘祐 著 「図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方をおしえてください!」です。
この本を買ってもらえれば話は終わるのですが、どんな内容なのか少しご紹介したいと思います。
資産運用についてまったく何も知らない、という方にこそオススメしたい名著です。
ベストセラーになっており、評価も非常に高いので安心してお買い求めください。
なお、引用はkindle版によったことをお断りしておきます。
資産運用とは
まず資産運用とは何かを確認しましょう。
そもそもお金を増やすには、2つの方法があります。
・収入を増やす
・資産を増やす
収入はサラリーマンなら給料ですし、自営業者なら売上から費用を引いた利益でしょう。
これは、日々月々、新たに稼ぐ収入です。
資産というのは、銀行預金を考えてもらえればわかりやすいでしょう。
預金には金利がつきます。
現在の金利は微々たるもので、ほとんど預金を増やしてはくれませんが、それでもまとまったお金を銀行に預けておくだけでわずかながらも資産は増えます。
もし、金利が高かったなら、資産運用をあれこれ考える必要はなかったかもしれません。
しかし、この低金利ではせっかくの資産を銀行口座に寝かせたままにしておくのはもったいないのです。
そこで、別の資産運用の方法を考えるということになります。
国債と投資信託の2択にしぼるべし
結論から言えば、初心者は資産運用をつぎの2つに限るべきです。
・国債
・投資信託
この本でも、そのように断言しています。
ではこの2つはどういう商品なのか、それぞれ見ていきます。
国債とは
買うべきなのは、「個人向け国債」です。
「個人向け国債」には3種類あります(kindle版 位置No.238)。
このなかで選ぶべきなのは、「変動金利型10年満期」というものです。
変動金利型というのは、もし将来的に銀行の金利が上がった場合、それに応じて国債の金利も変わるタイプのものです。
しかも、現在は銀行の金利はほぼゼロですが、この国債は金利の最低利率が決まっています。
0.05%だそうで、これ以下にはなりません(kindle版 位置No.213)。
預金しておくよりはるかに得なのです。
しかも、著者は、銀行の窓口で買うのではなく、ネット証券を利用することを本書ではすすめています。
なぜでしょう。
個人向け国債は銀行の儲けが少ない。
位置No.141
それが銀行を利用するべきでない理由です。
個人向け国債は銀行の儲けが少ないため、銀行側としてはこの商品を売りたくありません。
そのため、国債ではなく、違う金融商品を売りたいのです。
しかし、国債と聞いて少し不安を感じる方もいるかもしれません。
なぜなら、メディアなどが「国債は国の借金」「日本の借金は1,000兆円」などの情報を決まり文句のように流しているからです。
膨大な借金で国が破産したら、国債も紙屑になってしまうのではないか、という心配があるかもしれません。
これには、著者はこう答えています。
みんな『国がなくなる』っていうニュースが好きなの。だから中国と戦争になるとか、日本経済が破綻するとか、危機を煽る人たちがいて、『日本崩壊』『金融破綻』なんて言葉がテレビや雑誌に出る。そうすると、今度は金融業界の人たちが、日本円を持っているのは危険だからと、日本が破綻しても安全な金融商品を勧めてくる。それで、君みたいに心配症な素人は、言われるがまま買ってしまう。でも、そんなの壷と一緒だから
位置No.117
国債の危険性を煽るのは、国債を売っても儲けが少ないからです。
では国債の代わりに何をすすめてくるかというと、民間の金融商品でしょう。
しかし、冷静に考えてみてください。
著者もこう書いています。
銀行と国のどっちが先に潰れるかといったら、国よりも銀行でしょう
位置No.81
著者はこんなことも書いています。
日本国債の買い手ってほとんどが日本国民だから、もし日本が国債の借金を返せなくなったら、お金をたくさん刷って、国民に返せばいい の。
位置No.108
厳密にいえば、日本国民だけが買っているわけではありませんが、国債は100%円建てで販売しています。
日本国債を買うにはドルでもユーロでもなく、円で買わないといけません。
円を発行しているのは日本銀行ですから、いざとなれば刷ればいいわけですね。
もちろんそんなことをすればインフレ(物価上昇)になりますが、それでも国債はもっとも安全な商品であることに変わりありません。
国債を買える証券会社は多々ありますが、ここではDMM.com証券を紹介しておきます。
投資信託とは
投資信託とはどういうものでしょう。
お金をプロに預けて、プロに運用してもらうこと。
位置No.413
つまり「餅は餅屋」ということですね。
仕事しつつ投資をするなら、専門家に任せるのが効率的です。
では投資信託の中身とはどういうものでしょうか。kindle版 位置No.427に図がありますが、それによれば特定の会社だけの株を買うのではなく、満遍なく広くさまざまな会社の株を買うことでリスクを下げるやり方のようです。
まさに初心者にとってはうってつけの商品といえるでしょう。しかも、投資信託は、
投資信託は買ったところ(銀行や証券会社)がつぶれても、さっき話したように資産は信託銀行で管理されている
位置No.449
ということですから安心です。
ギャンブルの還元率
資産運用は面倒だなあと感じる方もいるかもしれません。
それならギャンブルの方が手っ取り早い、と思った方には、ギャンブルの還元率について知ってほしいと思います。
これは、つぎ込んだお金に対して戻ってくるお金がどのくらいか、ということですが、代表的なギャンブルの還元率は以下のようになります。
・競馬 75%
・宝くじ 45%
仮にずっと1万円の馬券を買い続けたとしたら、平均的な払い戻し金は、だいたい7500円になってしまう
位置No.532
宝くじは法律で還元率が 50%を超えてはならないと定められていて、実際の還元率は 45%くらい。つまり、宝くじ1万円分をずっと買い続けたとしたら、平均で4500円くらいになる
位置No.536
これではやればやるほど損をするようなものです。
ギャンブルは投資ではなく消費である、というのが良くわかると思います。
あくまで娯楽として考えるようにしましょう。
家は買うべきなのか。保険は?
お金を使うという点にも注目する必要があります。
ここで考えるべきは以下の2つです。
・家は買うべきなのか
・医療保険はかけるべきなのか
著者によれば、この2つともムダな出費です。
詳しく見ていきましょう。
なぜ家は買うべきでないか
その理由は、価値と価格が不均衡であるからです。
ローンを組んで、利息を払って、さらに維持費もかかるのです。
割に合う買い物ではありません。
医療保険はかけるべきなのか
これも結論はシンプルです。
家族がいなければ不要です。
医療保険をかけるなら貯金した方がいい、これが著者のスタンスです。
そもそも金融商品に『保険』と『貯蓄』という二つの機能を持たせるのがよくない。商品の比較が難しくなるし、手数料を紛れ込ませやすくなるからね。中身を複雑にして売りつけてくるのは金融マンの得意技だと思ったほうがいい
位置No.827
複雑な商品は疑ってかかるのがいいのかもしれません。
まとめ
この本から学ぶことは多々ありますので、ぜひ一度目を通してもらえればと思います。
基本的な結論は、国債と投資信託をすべし、というシンプルなものですが、この他にもさまざまな知っておくべき基本情報が豊富なすぐれた啓蒙書です。
私自身、目からウロコの情報が数多くありました。自信をもってオススメする所以です。
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