書評

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中国史

鬼谷子とは何者か――中国思想史でもっとも謎めいた思想家

中国思想史には、孔子や老子、荘子のように後世に大きな影響を与えた思想家が数多く登場します。その中でも、ひときわ異彩を放つ存在が「鬼谷子(きこくし)」です。鬼谷子は、戦国時代に活躍したとされる人物で、縦横家の祖と呼ばれています。縦横家とは、国...
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ミリンダ王の問いとは何か?――仏教哲学を一問一答で解きほぐす古典対話

「ミリンダ王の問い(Milinda Pañha/ミリンダ王問経)」は、仏教思想の核心を、論理と比喩で明快に示した古典的対話文学です。インド・ギリシア系の王ミリンダ(メナンドロス1世)と仏教僧ナーガセーナの問答を通して、「自我」「輪廻」「解脱...
書評

中国近代文学の金字塔──魯迅『阿Q正伝』を読む

魯迅(ろじん)の代表作『阿Q正伝』は、1921年に発表された中編小説でありながら、100年以上を経た現在もなお、中国文学のみならず世界文学の古典として読み継がれている作品です。本作は、清末から中華民国初期という激動の時代を背景に、一人の卑小...
哲学

理想国家論の原点|プラトン『国家』の思想と現代社会への影響

プラトンの『国家(ポリテイア)』は、西洋哲学史における最重要古典の一つでありながら、初読者にとっては「難解」「抽象的」「現実離れしている」という印象を持たれがちな書物でもあります。しかし実際に読み進めてみると、本書が扱っている問題は驚くほど...
書評

強さとは何か、弱さとは何か――ヘミングウェイ『老人と海』が今なお読み継がれる理由

アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』は、「巨大な魚と闘う老人の物語」という極めて単純な筋立てを持ちながら、読み進めるほどにその単純さが不穏な深みへと変わっていく作品である。読後に残るのは感動よりもむしろ、静かな疲労と、言葉にしがたい虚し...
書評

世界が完全に疑わしくなったとき、人はどうやって正気に戻るのか――G.K.チェスタトン『木曜の男』を読む

G.K.チェスタトンの『木曜の男(The Man Who Was Thursday)』は、しばしば奇妙な探偵小説、あるいは象徴に満ちた寓話として語られる。しかし、この作品を本当に貫いているのは、論理と理性が極限まで追い詰められたときに生じる...
書評

世界が突然、意味を失うとき──サルトル『嘔吐』を読む

ジャン=ポール・サルトルの『嘔吐』は、読み始めた瞬間から、足元の現実が静かに崩れていく感覚を呼び起こす小説だ。主人公ロカンタンが経験するのは、劇的な事件ではない。街のベンチ、博物館の展示、手のひらに触れる石――ありふれた物事が、ある日突然「...
中国史

歴史と精神の深部をえぐる一作――武田泰淳「司馬遷」を読む

武田泰淳の「司馬遷」は、中国前漢の歴史家・司馬遷の生を題材にしながら、単なる歴史小説の枠を超え、人間が真実を書くとはどういうことか、権力と精神はいかに対峙しうるのかを鋭く問いかける作品である。史記という巨大な歴史書を生んだ一人の知識人の苦悩...
書評

革命か独裁か――北一輝『日本改造法案大綱』に見る理想と危険性

北一輝(1883–1937)の『日本改造法案大綱』(以下『大綱』)は、大正末期から昭和初期にかけての日本思想史・政治史を語るうえで避けて通れないテキストである。本書はしばしば「国家社会主義的」「ファシズム的」「クーデタ思想の原典」といったラ...
書評

日常に溢れる闇ハラと生きていく社会  ~辻村深月さんの「闇祓」を読んで~

正義と闇(悪)は相反することのようであるが、表裏一体なのではないだろうか?私の勝手な定義だが、正義とは、世の為人の為に自分を犠牲にしても世の中を正しい道へと導く者。一方で闇は、自分の殻に閉じこもり、周囲と調和できずに常に何かに不満を抱えてい...
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